滞納処分の実務書:差し押えた動産の使用収益
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徴収奥義334号(目次の更新しましたのでご覧ください。)
動産を差し押さえしたときは、、当該動産を徴収職員が直ちに搬出するか又は滞納者・第三者に保管をさせるかのいずれかとなります。
後者では、その管理が重要となり、とりわけ差押時の処理(対応)が重要となります。
本号で紹介している東京地判昭53.10.26(訟務25-2-373)は、ブルドーザーの差し押さえをした当初、滞納者は格別の異議を唱えず、また、保管命令とともに使用収益の許可をしていた事案です。後になって滞納者から帰属認定の誤り及びブルドーザー賃借によりこれを使用できていたならば収益を上げることができたと、損害賠償が請求されている事案です。
滞納処分においては、後になって当事者の態度が豹変することはしばしばあり、差押時における的確な処理及びその事蹟が整理されていることが必要です。
また、最二判昭36.4.14(民集15-4-727)は、民事執行において仮差押債務者に保管させた事案で、当該仮差押時の処理に端を発しているといえ、一読すると参考となります。
主な内容と掲載判例は次のとおりです。
1 滞納者が倒産したときの財産散逸
2 差押動産の使用収益
3 徴収上支障がないとき
4 第三者の使用収益
5 民事執行における動産の差押え
6 民事執行における第三者が占有する動産の差押え
7 参考資料
東京地判昭53.10.26(訟務25-2-373)
最二判昭36.4.14(民集15-4-727)
高松地判丸亀昭31.2.7(民集15-4-732、下民集7-2-272)(前記最二判昭36.4.14の第一審)