滞納処分の実務書:債権譲渡と相殺
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債権が譲渡されたため譲受人が新債権者となるところ、第三債務者は債権譲渡の通知前に譲渡人に対して乙債権を取得していたときに、通知を受けるまでに生じた事由(民法第468条第2項)と捉えて、乙債権を自働債権として対当額で相殺により譲受人に対抗できるのかという問題が生じます。「(差押えと相殺とは異なり)債権譲渡事案では、債権の帰属主体の変動の有無についての差異があるばかりでなく、一方は差押という強制手段によるものであるのに対し、他方は通常の取引によるものであるという違いがあり、判断の拠るべき法律の規定も、民法511条と468条2項というように、異なります。
これに対する考察は、債権譲渡に対する理解の促進にも寄与し、本件問題にも対処できます。
主な内容は次のとおりです。
1 三者間相殺予約による相殺と債権譲渡
2 債権譲渡の意義と差押えとの優劣
3 債権譲渡後の相殺
4 判例の変遷
5 被譲渡債権を受働債権とする相殺(昭和50年判決)
6 被譲渡債権を受働債権とする相殺の可否
7 債権譲渡と被譲渡債権の差押えとの関係
掲載判例
最三判平7.7.18(集民176-415、訟務42-10-2357、判タ914-95)
最一判昭50.12.8(民集29-11-1864、金法775-48)
大阪高判昭44.3.28(民集29-11-1884)
大阪地判昭43.9.4(民集29-11-1879)