社会保険労務士(周南市)の情報発信:賃金支払いにおける相殺の可否
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労務管理・年金要点解説:033号 顧問契約先限定情報です。
賃金支払5原則として、①通貨で、②直接労働者に、③全額を支払うこと、④毎月1回以上、⑤一定期日に支払いすることとされています。
この中で、③では、賃金からの「控除」が問題となり、それ以上に「相殺」が問題となります。そして、③における最大の問題は、「相殺」であり、上記③には、相殺禁止を含むとの解釈が通説・判例となっています。
相殺とは、使用者が労働者に対する債権と労働者が使用者に有する賃金債権とを相殺する(いわば打ち消す)ということです。例えば、使用者が労働者に対して1万円の損害賠償債権を有しているときに、労働者の有する賃金債権30万円とを相殺すれば、29万円支払うことになります。
主な内容は次のとおりです。
1 賃金からの控除
2 債務不履行を原因とする相殺の禁止
3 調整的相殺の許容
4 合意相殺の可否